
2021年03月 劇団十六夜 市川叶太郎
<- 公演日程
- 1日~30日
- 休演日
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15日(月)
16日(火)
31日(水)
- 半額日
-
9日(火)クィーンの日(女性のみ半額)
18日(木)観音様の日
26日(金)お風呂の日
- 公演時間
- チケット
最大級の演劇場で大衆演劇をたっぷりとご鑑賞ください
大衆演劇とは、全国各地にある大衆演劇専用の劇場やホテルで行う、
時代劇を主とした演劇のことです。
他の公演と比較して、演じる役者と観客との距離が大変近く、
芝居の内容を観客が分かりやすい構成となっています。
そのため、役者と観客が一体となり臨場感溢れる空気が生まれるのが特徴です。
現在では家族が同じ職場で同じ仕事につくことは珍しくなってきましたが、
大衆演劇界では家族の強い絆のもとに公演活動をしている劇団が多いです。
たとえば30歳の中堅座長の率いる一座の場合、妻は女優、子供達は子役、弟とその妻、あるいは妹とその夫、さらには両親も舞台に立つという場合もあります。
全国に約110ある劇団の構成はいずれも似たような構成です。現在の一座の平均座員は13名くらいですから、座長の親族が半数を占めることが多いです。
顔色ひとつで気心が通じあい、お互いに無理を言いあえる家族ですから、一座の運営はスムーズです。そして1年365日、文字通り寝食をともにする座員達も、家族同然の存在と言えます。
舞台と楽屋の苦労を分かち合いながら、全員が強力な信頼関係を育むからこそ、ハードな舞台を連日創りあげられるのです。
日本の演劇の多くがそうであるように、大衆演劇もまた、歌舞伎の強い影響を受けています。
一流劇場で上演される大歌舞伎に対して、大衆演劇は中歌舞伎とも呼ばれていました。
明治中期、歌舞伎のパロディーである笑劇や新派物と演目を広げていった大衆演劇に「節劇」が登場します。
歌舞伎の浄瑠璃にかわって浪曲を口演する浪曲劇です。当時の大衆が愛好した二つの芸能を同時に満足させたため大人気となりました。
この節劇は、敗戦直前まで各地でもてはやされました。浪曲にのせて芝居するうちに自然と演技は粘っこくなり、旅役者特有の情感たっぷりな芝居が確立しました。
ベテラン座長が「大衆演劇のルーツ」という節劇と並行して、大衆の熱狂的な支持をとりつけたのが剣劇でした。
大正11年、新国劇の沢田正二郎が確立した壮烈なリアリズムの殺陣は爆発的な人気を呼んだため、大衆演劇はこれに便乗し始めます。
明確な勧善懲悪のストーリーを好むファンには、派手な立回りで決着をつけるチャンバラ劇はうってつけで、呼称が「時代人情劇」と変わった現在でも看板芸となっています。
一方、芝居の幕間のサービスとして登場したのが舞踊ショウです。舞踏ショウはさらに進化し役者自身が歌唱する歌謡ショウも追加されました。
前者は昭和15年、後者は昭和23年頃から始めた一座があると言われていますが、大衆演劇界にショウが定着したのは昭和30年代後半であると言われています。
歌舞伎から派生した大衆演劇の歴史は、観客本位のサービス精神に徹した、つまりは大衆のための演劇の歴史でもあります。